抹茶のおすすめの銘柄とは？選び方について解説【ランク・品種・流派】

抹茶を買う際、銘柄が多くてどれを選べば良いか迷ってしまうかもしれません。抹茶と一口に言っても、ランクが高いものや低いもの、茶葉の品種など、さまざまな違いがあります。 本記事では、抹茶の選び方のポイントを解説します。抹茶の銘柄選びに迷われたら、ぜひ参考にしてください。

抹茶とは、碾茶（てんちゃ）と呼ばれるお茶を、茶臼（ちゃうす）などで細かく粉末状に挽いたお茶のこと。 碾茶の特徴は、被覆栽培で作られる点です。藁・こも・むしろなどで覆い、直射日光が当たらないように育てられた茶葉は、甘みや旨み成分のテアニンがたっぷり蓄えられて、甘くてまろやかな味わいになります。この被覆栽培された碾茶から作られるため、抹茶も苦みや渋みが少なく、甘みや旨みが強い味わいになるのです。 ちなみに抹茶は、裏千家や表千家などの流派によっても好まれるものが変わります。同じ流派でも推奨される抹茶が変わることもあるので、気になる方はご自身のお茶の先生に確認しましょう。

抹茶には、濃茶（こいちゃ）と薄茶（うすちゃ）の2種類があります。格式高い特別なお茶会では濃茶を、一般的なお茶会や野点（屋外で行うお茶会）などでは薄茶を使います。 薄茶であれば基本的にはどの銘柄でも良いのですが、濃茶の場合は高級な銘柄が適しています。濃茶は抹茶を少しのお湯で練るので、ねっとりとした濃厚なお茶になります。より抹茶の味をダイレクトに感じられるので、苦みや渋みのない高級な抹茶が濃茶に使われます。

抹茶はランクでも分けられます。高価な上級品になるほど香りが良く、まろやかで甘い味わいを感じられます。渋みや苦みはほとんどありません。水色も鮮やかな美しい緑色です。 反対に安すぎる抹茶を選ぶと、香りや風味があまり感じられず、渋みや苦みも強め。水色も、少し茶色を帯びた薄い緑色であることが多いです。

茶葉の品種からも選ぶことができます。抹茶に使われる主なお茶の品種は下記のとおりです。 ・やぶきた 「やぶきた」は静岡産の品種です。生産量は国内のお茶品種の約7割を占めており、お茶の品種のなかでもっとも多く作られています。やぶきたの特徴は、味のバランスの良さ。甘み旨みと、苦み渋味のバランスが良く、誰でも飲みやすい味わいです。 ・ごこう 「ごこう」は、京都産の品種です。旨みが強くまろやかな味わいで、抹茶に適しています。摘み取り期間が短いため、生産量が多くなく希少品種です。 ・さみどり 「さみどり」も京都産のお茶品種で、複数のお茶を交配したものではなく在来種です。みかんなどの柑橘系を思わせるフレッシュな香りがあります。その上品な香りと強い旨みが、美味しい抹茶にぴったりです。 ・おくみどり 「おくみどり」は、やぶきたと「静岡在来16号」をかけ合わせてできた品種です。名前のとおり、水色は深みのある美しいグリーン。甘みが強く優しい味わいで、抹茶向きの品種といえます。

国内の抹茶の名産地として特に有名なのは、京都府の宇治市と和束町（わづかちょう）、愛知県の西尾市です。 ・宇治市と和束町（京都） 宇治市は宇治抹茶で有名な抹茶の名産地。宇治抹茶を含む宇治茶は、静岡茶・狭山茶とともに日本三大銘茶にも数えられています。宇治で作られるお茶は、飲むと最初に少し渋みを感じ、あとからやわらかな甘みや旨みを感じられます。 京都府内にあるもう1つの有名な抹茶の産地が、京都府南部に位置する和束町です。和束町で作られるお茶は、和束茶（わづかちゃ）とよばれ、正確には宇治茶のブランドの1つです。和束町は、昼夜の寒暖差が大きく霧が発生しやすい地形。そんな環境で作られる和束茶は、清涼感と強い味わいを感じられる、とても美味しいお茶になります。 ・西尾市（愛知） 愛知県の西尾市も、抹茶の名産地として有名です。西尾市内で生産される茶葉の約9割は碾茶といわれており、いかに抹茶の生産量が多いかがわかります。そのクオリティの高さから、2009年に「西尾の抹茶」が特許庁の地域ブランドに認定されたほどです。 西尾の抹茶は香りが強く、コクや旨みも濃厚です。強い味わいの抹茶がお好きな方におすすめです。

山年園でもさまざまな抹茶の銘柄を取り扱っております。本記事でご紹介したポイントを参考に、ぜひお好みの抹茶を選んでみてください。いくつか飲み比べても楽しいですよ。

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