職人の技が伝える自然のうまみ
日本料理には昔から出汁(だし)がかかせません。 昆布や鰹のやさしい旨味が和食の繊細な味わいを引き立たせてくれます。今ではほとんど見かけなくなってしまいましたが、昔はどこの家にも「かつお節削り機」がありました。料理をはじめる前におかかを削る、そんな光景を懐かしく感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。 うまみ調味料や削り節の普及で、家庭ではあまり目にすることがなくなったかつお節ですが、今も伝統的な製法を頑なに守り、昔ながらの最高級かつお節を作っている産地があります。鹿児島空港から車でさらに南に一時間半、かつお節生産量日本一を誇る鹿児島県枕崎市です。 枕崎における「かつお節」の生産量は年間約1万7000トン。実に全国の生産量の4割を占めます。その中で、製造工程が最長1年にも及ぶ、選ばれた「かつお節」があります。枕崎産のかつおぶしの中でたった3%しか生産されない、「本枯れ節」です。
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