高松盆栽特集

高松盆栽は、松の生産量日本一の香川県高松市で生まれた日本の伝統文化を代表するブランド盆栽です。始まりは200年ほど前の江戸時代、近くに自生していた樹を鉢に植えて販売を始めたのが起源だと言われています。松の生産に適した気候と、職人や生産者たちの努力と研鑽により、高松盆栽は松盆栽の国内出荷量の80%を占めるほどに発展しました。その樹形や佇まいが美しいのはもちろんのこと「根腐れしにくく、傷まない」と品質にも定評があります。近年では海外の需要も多く、国内外で質の高いブランド盆栽として評価されています。他の地域に比べて高品質な松が比較的手ごろな価格で楽しめるとネット通販で購入される方も増えています。

高松盆栽は江戸時代・文化年間にはじまりました。愛好家が山野に自生していた松を掘って鉢植えに仕立てたものを、金刀比羅宮への参拝者が土産ものとして買い取ったことがきっかけと言われています。

本格的な生産が始まったのは明治以降。接ぎ木技術の研究が進み、品質のよい松盆栽を生産していくことが可能になったことで盆栽生産者も増えていきました。戦後の高度成長期とともに、盆栽の人気が高まり一気に需要が拡大。こうして高松盆栽は松の一大産地となっていきました。

近年では、2011年に高松市で「第11回アジア太平洋盆栽水石高松大会(ASPAC)」、2014年に高松盆栽大会が開催され、アジア・欧米諸国などの40か国以上の世界中の盆栽ファンから注目を集めました。盆栽の聖地として広く認知されるようになり高松盆栽の輸出の拡大につながりました。現在も世界各地から多くのバイヤーが訪れています。

①根腐れしにくく、傷みにくい良質な松 温暖で少雨・夏と冬の温度差が小さい瀬戸内の気候と水はけがよい砂壌土の環境は、松の生育にとても適しており非常に丈夫で良質な松に育ちます。 ②安定した品質を実現する接ぎ木の技術 質の良い穂木を安定した高い技術力で接ぎ木していくことで良い松を生み出します。 ③職人の技術の高さ 江戸時代から代々受け継がれてきた職人の技術は、世界からも高く評価されています。

高松盆栽といっても、その大きさや種類は様々です。まずはどんな高松盆栽があるのかをご紹介します。(黒松・錦松・五葉松・寿松・真柏)

黒松 高松盆栽の代表格といえば王者の貫禄のある「黒松」。長く剛直な力強い葉と風格ある荒々しい幹肌が魅力です。成長力が旺盛なのでお手入れしがいのある樹種です。黒松は日本の自然風景でよく見られることから、庭園や風景画などにも使われており、盆栽にも欠かせない素材です。 初心者の方へのワンポイント! 日当たりを好みます。手入れしないと葉が伸び形が崩れるので、定期的にお手入れしてあげましょう。

五葉松 厳しい寒さに耐えて自生しているので丈夫な樹種です。短葉で樹形を維持するためのお手入れが比較的簡単なので初心者にもおすすめです。古くなると風格がましてくるのも楽しみの一つです。 初心者の方へのワンポイント! 日当たりを好みます。葉の伸びは遅いですが、古葉は丁寧にとってあげましょう。

真柏 真柏の魅力は、白骨した幹の舎利(シャリ)、神(ジン)がおりなす幹芸です。また、強靭な幹枝のため針金をかけて自由に形をづくりやすいため芸術的な仕立ての松を楽しめます。 初心者の方へのワンポイント! 水遣りによって生長の速度を管理できます。早く生長させたい場合はたっぷりと。夏の暑い時期には葉水を行って下さい。

高松盆栽をどうぞお楽しみください