月経血コントロールとは、生理中の経血をナプキンに吸収させず、意識的にトイレで排出する方法のことです。初めて聞く方は「そんなことができるの?」と思うかもしれませんが、実はコツをつかめば誰でもできるようになります。私自身も最初は無理だと思っていましたが、いざ実践してみると想像以上に快適で、思ったほど難しくありませんでした。
現代では紙ナプキンが普及していますが、それ以前の時代の女性たちは、布を当てる習慣すらありませんでした。特に着物を着ていた時代、下着を身につける習慣がなく、「生漉き(きずき)」と呼ばれる紙を小さく丸めて膣口の近くに詰めるだけでした。
もし経血を垂れ流してしまえば、日常生活に支障が出るため、自然と経血を自分の意思で排泄する技術が身についていたのです。
月経血コントロールを習得することで、以下のような嬉しい効果を得ることができます。
突然の生理でも安心できる
生理のタイミングが予想外でも、薄手の布ナプキンやライナーをあてておけば大丈夫。防水布入りの大きなナプキンを使わなくて済み、通気性の良い布ナプキンで初日から終わりまで快適に過ごせます。
生理痛が和らぐ・経血量が減る
経血を意識的に排出することで、生理痛が軽減されるケースがあります。また、経血量が減り、生理が短期間で終わることも期待できます。
布ナプキンの洗濯が簡単に
トイレのたびに経血を出し切れば、布ナプキンが汚れにくくなります。布ナプキンの洗濯が面倒と感じている方も、汚れを防ぐことでその負担を軽減できます。
外出時の荷物が減る
経血コントロールを習慣化することで、外出時にナプキンの替えをたくさん持ち歩く必要がなくなります。特に経血量が多い日でも、こまめにトイレに行けば安心です。
骨盤底筋を鍛えて尿漏れ予防にも効果的
月経血コントロールを実践するには、骨盤底筋を意識的に鍛える必要があります。この筋肉は膀胱や直腸を支える役割も持っているため、尿漏れ予防や加齢による体調管理にも役立ちます。
最初から長時間経血を溜めておくのは難しいかもしれません。そこで、まずは経血量の多い日にトイレの回数を増やすところから始めてみましょう。トイレのたびに経血を出し切る感覚をつかむことで、少しずつ慣れていくことができます。
月経血コントロールには、健康面だけでなく、思わぬプラスの効果があります。それは、「愛し愛されるカラダ」を作り、妊娠力の向上にもつながることです。膣の筋力が上がることで、自分自身がきちんと快感を得られる「愛すべきカラダ」を持つようになり、同時にパートナーの体も満たす「愛されるべきカラダ」に変わっていきます。
良いセックスは、女性の心と体のバランスを整え、健康的な美しさを引き出します。パートナーとの触れ合いが増えれば、PMSや更年期障害の症状が緩和され、自然と妊娠しやすい体が作られていきます。さらに、妊娠だけが目的ではない肌の触れ合いを楽しむことで、行為の回数も増え、愛情の絆が深まります。
自然な触れ合いがもたらす体の変化
体がリラックスし、緊張が解けることで、子宮は温かく柔らかくなり、妊娠に適した「居心地の良い環境」が整います。実は、野生動物は交尾の刺激で排卵するため、非常に高い妊娠率を誇ります。人間もまた、本能に基づいた触れ合いを楽しむことで、体に奇跡的な変化を起こすことができるのです。
月経血コントロールを始めるための第一歩
これほど多くのメリットがある月経血コントロール。「挑戦してみたい!」と思った方もいるのではないでしょうか?実践するために一番大切なのは、経血を意識することです。
紙ナプキンには高分子吸収ポリマーが使われており、血液を瞬時に吸収・固めてしまうため、無意識に経血を垂れ流してしまう習慣が身についてしまいます。しかし、布ナプキンに変えると、多くの女性が「自然に経血をコントロールできるようになった」と実感しています。これは、布ナプキンを使うことで、生理や子宮の状態に意識を向けるようになるからでしょう。
自分の体を目覚めさせることから始めてみよう
単に生理を楽にするだけでなく、自分の体の本来の機能を使うことが、心と体の健康を向上させる鍵です。紙ナプキンによって鈍ってしまった子宮や体は、意識を向けることで再び目覚め、良い循環が生まれます。難しく考えすぎず、まずは気軽に始めてみましょう。
コントロールしやすいポイントや体の使い方は人それぞれですが、まずは基本的な流れを押さえましょう。次の3つのポイントを意識して練習を進めていくと良いでしょう。
≪Point 1≫ 膣口を締めて尿意を我慢する感覚を身につける
お手洗いに行きたいときのように、尿意を我慢する感覚で膣口を締めることから始めます。イメージとしては、子宮に経血を吸い上げるようにキューッと引き締めてみましょう。
コツがつかめない場合は、排尿時に途中でおしっこを止めてみてください。そのとき膣口も締まるので、この感覚を覚えると分かりやすいです。
もし「締める感覚がわからない」「うまくできない」という場合は、骨盤底筋が弱っている可能性があります。お手洗いに行くたびに、締めては緩める練習を繰り返して筋力を鍛えましょう。
≪Point 2≫ 小まめにお手洗いに行って排出の感覚をつかむ
慣れるまでは、1時間おきにトイレに行くようにしましょう。心配な方は30分おきでも構いません。特に朝、起き上がるときには膣口を締めながらトイレに向かいましょう。ベッドから立ち上がった瞬間に、子宮にたまった経血が「ジュワーッ」と降りてくる感覚がわかるはずです。
トイレでは、リラックスして経血を排出し、最後に軽く腹圧をかけて出し切ります。ただし、無理に力を入れてお腹を押すのは避けましょう。力を入れすぎると子宮に負担がかかります。
この「経血を溜める・膣口を締める・トイレで出す」というサイクルを意識的に繰り返すことで、次第に「子宮に経血がどのくらい溜まっているのか」を感覚的に把握できるようになります。
※ うまくできなくても大丈夫です。焦らず、まずは排尿時の「止める・出す」の練習を続けてみましょう。
≪Point 3≫ 生理以外の日も骨盤底筋を鍛える習慣を
経血をコントロールできるようになるために、生理以外の日も膣をゆっくり締めたり緩めたりする練習をしましょう。電車に乗っているときや、デスクワーク中など、日常のあらゆる場面で練習することが大切です。
骨盤底筋を鍛えることは、経血のコントロールだけでなく、尿漏れ防止や免疫力の向上にも役立ちます。
また、経血コントロールを習得するためには、布ナプキンを使うことをおすすめします。布ナプキンは通気性が良く、下着と同じような感覚で使えるため、「汚したくない」という意識が自然と生まれ、子宮や膣口に集中しやすくなります。一方、紙ナプキンは経血を瞬時に吸収するため、体が「いつでも垂れ流していい」と無意識に認識してしまいがちです。そのため、経血を溜める感覚を身につけにくくなってしまいます。
まずは気軽に挑戦してみましょう
ここまでが月経血コントロールの基本の流れです。どうでしょうか?「できそう!」という気がしてきませんか?
大切なのは、難しく考えずに気軽に始めることです。日々のトレーニングを通じて、少しずつ自分の体の変化を感じられるようになりましょう。布ナプキンを使いながら、経血や子宮への意識を高め、コントロールを楽しんでみてください。
自然な感覚を取り戻し、子宮のスペースを整える
経血コントロールを実践するうえで、とても大切なことがあります。それは、**「自然なものを身に着けて体の感覚を鈍らせないこと」と「経血を溜めておける子宮のスペースを整えること」**です。
練習の際に「膣口を締める」とお伝えしましたが、ポイントは膣口だけを締め、子宮はリラックスさせることにあります。膣口は締めて経血をためますが、子宮は緩めておくことが重要です。
子宮をリラックスさせるためのコツ
「子宮を緩める」と聞いても、最初はイメージしにくいかもしれません。しかし、現代人はデスクワークや日常のストレスで、知らず知らずのうちに体が緊張しています。肩が凝るように、内臓も固まってしまいがちです。これを防ぐには、日常の中で体の凝りをほぐし、リラックスする習慣が欠かせません。
体をゆるめる動き:腕や足をブラブラと揺らしてみる
骨盤をほぐす:骨盤を「ハの字」に前後左右に回す
腹式呼吸:ゆっくりと深い呼吸で、お腹を膨らませながら息を吸い、吐き出す
また、体を温めることも効果的です。お腹や腰をさすったり、リラックスできる時間を意識的に作りましょう。こうした小さな習慣を積み重ねることで、自然と経血をコントロールできるようになります。
おしっこと同じ感覚で経血もコントロール
おしっこが膀胱いっぱいになったときにトイレに行くように、**経血も「溜まったら出す」**という感覚で考えましょう。そう思うと、少し気が楽になりませんか?
昔の女性たちもこの感覚を自然に身に着けていました。私たち女性には、もともとその機能が備わっています。また、柔らかく温かな子宮は赤ちゃんにとっても居心地の良い環境です。体を整えることは、健康や妊娠力を高めることにもつながります。
完全にできなくても大丈夫!
「失敗するかも」「うまくできないかもしれない」と思うこともあるかもしれません。でも、少しでも意識することで、ずっと紙ナプキンに垂れ流しにするよりも体に良い効果が生まれます。
何より大切なのは、自分の体と向き合うことです。焦らず、自分のペースで取り組みましょう。挑戦を通じて、愛し愛されるカラダを手に入れ、すべての女性が子宮から元気になれるよう願っています。