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メディア紹介実績 朝日新聞「凄腕しごとにん」241001

公開日:2024/10/01 更新日:2024/10/04
2024年9月30日、朝日新聞夕刊「凄腕しごとにん」に掲載されました。 ー以下記事転載ー
15年間で販売した「風景」、約20万点
写真・絵で届ける感動 副業から拡大
きっかけは、新婚旅行で訪れたタヒチ・ボラボラ島で撮った写真を、2005年に友人に見せたことだった。サンゴ礁でできた遠浅の海を切り取った構図で、「すごくうまい」と褒められた。フリーマーケットで売ってみると、ほとんど売れた。  当時はIT企業のシステムエンジニアだった。技術を生かして「写真屋さん.Blog」というネットショップを開いた。自分の写真のほかに仕入れた写真や風景画も販売したところ、月10万円ほどの副業収入が得られた。  そのうち、「自分が好きなのは写真ではなく『風景』だな」と思うようになった。風景には、心に浮かぶ「情景」という意味もある。「風景の感動」を売るビジネスにしようと考えた。  08年、特許庁を訪ねた。相談に乗ってくれた弁理士の助言を受け、「風景専門店」と「風景ビジネス」という二つの言葉を商標に登録して独占的に使えるようにすることにした。  そんな話を同僚や知人にすると、6人が50万円ずつの出資を申し出てくれた。同年に株式会社を設立し、35歳で退職して翌09年から本格的に事業を展開した。「あゆわら」という社名は、自分が好きな「愛」「友」「和」「楽」という漢字を並べて付けた。
風景に関する商品として風鈴や花なども加え、2年近くで年商は3千万円ほどになった。しかし、仕入れや配送料、楽天やアマゾンへの手数料を引くと、手元に残るのは400万円ほど。会社員時代の半分だった。さらに11年の東日本大震災で売り上げは半分に落ち込んだ。  賃貸事務所を解約し、埼玉県蓮田市の自宅を仕事場にした。再起を図った15年に同県白岡市の一軒家を借りて再び事務所を構え、一時は借金が1千万円に達した。  回復の兆しが見えていた20年、今度はコロナ禍に見舞われた。「またか」と思った。従業員からはマスク作りの提案が出るほどだった。ところが、自宅で過ごす「巣ごもり需要」に助けられた。現在は年商が9千万円を超え、従業員も妻を含めて6人に増えた。  風景に関する商品の販売数は15年間の累計で約20万点に上り、「絵画・壁掛け」では全国トップクラスだ。商品の平均単価は約6千円。「絵は高いものというイメージがあるので、気楽に自宅で楽しめるよう、手頃な値段で提供することに徹してきました」  1万5千点あるという商品を、自前のサイトだけでなく、楽天やメルカリに並べる作業は手間がかかる。ブログなどの記事を定期的に更新し、ユーザーを引きつける必要もある。  いま力を入れているのは、投稿してもらった写真や絵を売る「風景投稿販売」だ。オンラインで投稿を受け付け、買い手が現れると額に入れて1枚1万1千円(消費税込み)を基本に販売する。  「日本唯一の風景専門店」を掲げ、ビジネス拡大のアイデアを練る日々だ。「『風景画』のイメージが強いので、売りたいのは『風景』であることをわかってもらうために試行錯誤を続けています」(松浦新)
<プロフィル>  えのもと・たかゆき 1973年、埼玉県生まれ。明治大を卒業後、IT企業2社でシステムエンジニアなどを経験。2009年に独立した。「風景ビジネス」は埼玉県の起業コンテストで優秀賞に選ばれた。
名画 モネ 「庭園のアーチスト」
額裏に焼き印、劣化しにくい紙採用
10年ほど前、テレビで温泉まんじゅうに焼き印を押しているのを見て、絵の額の裏に社名の焼き印を押すことを思いついた。ネットで調べると、電気のはんだごてを改造した焼き印を売っていた。 「これなら電気代だけでお金をかけずにかっこよく見せられる」と考えて採用した。 写真や絵の紙には、高価だが劣化しにくい「無酸紙」を使う。その代わり、額はできるだけシンプルで安いものを使う。「手軽に絵を楽しんでもらうためにメリハリをつけている」という。
風景専門店(R)あゆわらの焼き印イメージ
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更新日11/2111/1411/20集計