東京都現代美術館にて、このたび音楽家・アーティスト、坂本龍一(1952-2023)の大型インスタレーション作品を包括的に紹介する、日本では初となる最大規模の個展「坂本龍一|音を視る時を聴く」が開催されます。坂本は50年以上に渡り、多彩な表現活動を通して、時代の先端を常に切りひらいてきました。90年代からはマルチメディアを駆使したライブパフォーマンスを展開し、さらに2000年代以降は、さまざまなアーティストとの協働を通して、音を展示空間に立体的に設置する試みを積極的に思考、実践しました。本展では、生前坂本が東京都現代美術館のために遺した展覧会構想を軸に、坂本の創作活動における長年の関心事であった音と時間をテーマに、未発表の新作と、これまでの代表作から成る没入型・体感型サウンド・インスタレーション作品10点あまりを、美術館屋内外の空間にダイナミックに構成・展開します。これらの作品を通して坂本の先駆的・実験的な創作活動の軌跡をたどり、この類稀なアーティストの新しい一面を広く紹介いたします。坂本龍一の「音を視る、時を聴く」ことは、鑑賞者の目と耳を開きながら、心を揺さぶり、従来の音楽鑑賞や美術鑑賞とは異なる体験を生み出します。坂本が追求し続けた「音を空間に設置する」という芸術的挑戦と、「時間とは何か」という深い問いかけは、時代や空間を超えて、私たちに新たな視座をもたらし、創造と体験の地平を開き続けてくれることでしょう。
坂本龍一(SAKAMOTO Ryuichi/音楽家)
1952年、東京都生まれ。1978年『千のナイフ』でソロデビュー。同年「Yellow Magic Orchestra」結成に参加し、1983年の散開後も多方面で活躍。映画『戦場のメリークリスマス』(83年)の音楽では英国アカデミー賞、映画『ラストエンペラー』の音楽ではアカデミーオリジナル音楽作曲賞、グラミー賞、他を受賞。環境や平和問題への取り組みも多く、森林保全団体「more trees」を創設。また「東北ユースオーケストラ」を立ち上げるなど音楽を通じた東北地方太平洋沖地震被災者支援活動も行った。1980年代から2000年代を通じて、多くの展覧会や大型メディア映像イベントに参画、2013年山口情報芸術センター(YCAM)アーティスティックディレクター、2014年札幌国際芸術祭ゲストディレクターを務める。2018年piknic/ソウル、2021年MWOODS/北京、2023年MWOODS/成都での大規模インスタレーション展示、また没後も最新のMR作品「KAGAMI」がニューヨーク、マンチェスター、ロンドン、他を巡回するなど、アート界への積極的な越境は今も続いている。2023年3月28日、71歳で逝去。
会期│2024年12月21日(土)–2025年3月30日(日)
開館時間│10:00-18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)
休館日│月曜日(1月13日、2月24日は開館)、12月28日–1月1日、1月14日、2月25日
会場│東京都現代美術館企画展示室1F/B2Fほか(東京都江東区三好4-1-1)
観覧料│一般2,400円/大学生・専門学校生・65歳以上1,700円/中高生960円小学生以下無料
主催│公益財団法人東京都歴史文化財団東京都現代美術館、朝日新聞社、テレビ朝日
協賛│カカクコム、デジタルガレージ、東邦レオ、NISSHA、ニューバランスジャパン、山田養蜂場
特別協力│KAB Inc.、KAB AmericaInc.、ダムタイプオフィス、エイベックス・エンタテインメント、ケィ・ガレージ、タケナカ、東邦レオ、ホットスタッフプロモーション、ユニクロ
協力│J-WAVE
助成│文化庁・令和6年度我が国アートのグローバル展開推進事業
機材特別協力│イースタンサウンドファクトリー
技術協力│ヘキサゴンジャパン
機材協力│アートウィズ、カラーキネティクス・ジャパン、ブリックス
お問合せ│050-5541-8600(ハローダイヤル)