毎日、お風呂で使っている石けんやボディソープ
あなたはどうやって選んでいますか?
「手軽だからポンプ式を選んでる」
「無添加石けんって体に良さそう」
「"お肌と同じ弱酸性"のものを選んでる」
ライフスタイルがそれぞれ違うように、体を洗う洗浄剤を選ぶ基準も違います。
でも、"本当に身体が喜ぶもの"ってどうやって選べばいいのでしょうか?
このページでは、
【弱酸性ソープ】と【無添加石けん】にフォーカス。
両方とも肌に優しい洗浄料として知られていますが、それぞれの特徴が異なります。
あまり知られていない【弱酸性ソープ】の特性や【無添加石けん】との違いについて、詳しくご説明します。
CMなどでも「お肌と同じ弱酸性」と謳われている弱酸性のボディソープ。
「お肌と同じ…なら、優しそう」という理由で選ばれる方も多いはず。
弱酸性ソープとは、pH値が5.5程度である洗浄液のことを指します。
肌のpHは約5.5前後であり、この値は弱酸性とされています。
オイリー肌(皮脂の分泌が多め)の場合は酸性に傾き、乾燥気味の場合はアルカリ性に傾きます。
弱酸性のお肌を弱酸性ソープで洗った場合「洗浄力は緩やかでお肌の油分を洗い流し過ぎずに済む」というメリットがあります。
し か し …
「pH値がお肌と同じ」というだけで、本当に良い事づくめなのでしょうか?
一般的に洗浄剤には界面活性剤が使用されています。
「界面活性剤」とは、油と水など、混ざり合わない物質の間にできる境界面(=界面)の性質を変え、混じり合わせることができるようにする物質です。
これは、無添加石けんにも含まれますが、「石けん」は、天然油脂もしくは脂肪酸から作られ、弱酸性ソープの多くには合成界面活性剤が使われています。
そもそも、
弱酸性ソープの合成界面活性剤って何でしょうか?
合成界面活性剤とは、
ラウリル硫酸Na・ラウレス硫酸Naなどが含まれる、人工的に化学合成された油汚れを落すために配合される洗浄剤。
合成界面活性剤は安く大量に生産することができるため、市販のシャンプーや洗剤など、価格の安い商品に多く使われているのです。
さて、弱酸性ソープのお話に戻りましょう。
前項で説明した通り、
「弱酸性ソープ=洗浄力は緩やか」という事は…汚れ落ちの力を補う必要がありますね。
お肌に優しいだけでは、汚れは落とせません。
そのため、洗浄力を高めるものを大量・安価に作るために使用されるのが、合成界面活性剤なのです。
人工添加物である合成界面活性剤は、安価で簡単に汚れを落とせる利点もありますが、石けんなどの天然系界面活性剤に比べて皮膚に対する高い浸透性を持っていると言われています。
人間の肌表面には皮脂膜や角質層があり、「皮膚常在菌」には皮脂膜の生成サポートをするという大切な役割があります。
皮脂膜や角質層は、外部の刺激から肌を守るバリア機能を持っています。
合成界面活性剤はヌルヌルと肌に残りやすく、角質層を少しずつ破壊してしまいます。
しっかり洗い流すことができればいいのですが、一部石油系界面活性剤は肌に留まる力が強く、皮膚への浸透もしやすいと言われています。
長い時間をかけて肌に吸収され続けると、肌トラブルを誘発する原因にもなります。
さらに、しっかり洗い流す必要があるという事は、
肌の油分・大切な常在菌を落とし過ぎ、結果的に乾燥を引き起こす可能性があるのです。
また、合成界面活性剤の大半は河川や海に流れても分解しない(または分解に時間がかかる)ため、環境汚染の影響も大きいのです。
弱酸性=オールOK!…という訳ではないようです。
一方、「無添加の石けん」はどうでしょう。
無添加の石けんとは、合成界面活性剤や合成香料、合成着色料などを使用せず、天然素材のみで作られた石けんのことを指します。
…
「石けん」の起源は縄文時代まで遡ります。
人間が火を使うようになって、肉を焼いて食べることを始めました。
その際、肉からしたたり落ちる油と木の灰が反応した土が、汚れを落とす土として発見されたのが石けんの起源と言われています。
天然素材を使った石けんは、その長い歴史が人や環境へのやさしさを証明しています。
無添加石けんは「弱アルカリ性」
石けんには、弱酸性のものは存在しません。
原料由来が天然の動植物油脂からなる界面活性剤で、石けんは弱アルカリ性の性質を持つのです。
弱アルカリ性の石けんは、タンパク質等を溶かす性質があり対局である、酸性の汚れ(油・皮脂等)を中和して落としやすくしてくれます。
弱酸性のボディソープに比較しても、一般的に弱アルカリ性である石けんの方が汚れを落としやすいのです。
そのぶん、優しい力で十分に汚れが落ちるという事。
そこで、
「弱酸性でなくでも、お肌に負担はないの?」という疑問が生まれます。
弱アルカリ性の石けんで洗浄した後は、当然 肌もアルカリ性に傾きます。
しかし、弱アルカリ性に一時的に傾いても、肌は弱酸性に戻ろうと活性化します。
肌が活性化することにより、健やかな肌が保たれます。
弱酸性の肌に弱アルカリ性の石けんを使っても、負担になることはありません。
(弱酸性でも弱アルカリ性でも、お風呂上がりの保湿は忘れずに…)
●【弱酸性のボディソープ】(液体のものが多い)
=「合成界面活性剤」や添加物が多用。
●【弱アルカリ性の無添加石けん】(固形のものが多い)
=天然油脂もしくは脂肪酸から作られた「界面活性剤」を使用。
では、どうやって本当の「石けん」を見分けることができるのでしょうか。
それは使われている原料をしっかりと見ることです。
成分に『石けん』という文字がなければ、
合成界面活性剤を含んでいると判断してほぼ間違いありません。
【無添加】と呼ばれる石けんにも、添加物が入っている可能性があるのです。
それは、何故か。
【無添加】と表記するにあたって、実は 法律上の定義がありません。
何か一つ「添加物が入っていない事」を明記すれば【無添加】と表記できてしまうのです。
毎日使うものだから。
本当の完全無添加石けんを選ぶには、
成分をしっかりと確認する事が大切です。