香典返し挨拶状の文章（巻紙挨拶状編）

故人のお名前の後にある、「御懇篤なる御弔慰」「御鄭重なる御香志」など、普段使用しない 言葉が並び、難しそうに見えます。 旧来より使用されている言葉づかいで、日常生活ではなかなか使用しません。 フォーマルな場面でよく使用される言葉づかいですので、覚えておくといざというときに役立ちます。 【よく使用される言葉】 ※挨拶状に限定し簡単な表現にしています ・懇篤（こんとく） 　心がこもっていて手厚い、懇切丁寧 ・弔慰（ちょうい） 　遺族を慰めること、 慰めの言葉 ・弔詞（ちょうし） 　弔いの言葉、 悲しむ気持ちの言葉 ・忝うし（かたじけのうし） 　ありがたい、 感謝にたえない ・鄭重（ていちょう） 　礼儀正しく手厚い、丁寧 丁重と同じ ・香志（こうし） 　簡単に言うと香典（お金）を表す 　相手からの気持ちにより頂いたものを指す 　（香典 お供え お花など） ・厚志（こうし） 　手厚い心遣い、香志同様香典を表す言葉 ・拝趨（はいすう） 　出向く、お伺いする、拝眉（はいび）も同様

謹啓　御尊家御一同様愈々御清祥の段 慶賀の至りに存じ上げます さて先般 亡● ●●儀 死去の際は御多忙中にもかゝわらず早速御懇篤なる御弔慰を忝うし且つ御鄭重なる御香志を賜り誠に有難く厚く御礼申し上げます 御蔭をもちまして 本日 （戒名・法名）●●日忌明に当り近親相集い滞りなく法要を相営みました これ偏に皆様の御蔭と深謝いたす次第でございます 早速拝趨の上御礼申し上げるのが本意で御座居ますが書中をもって失礼乍ら謹んで御挨拶申し上げます　敬具 尚 忌明に際しまして供養のしるしまでに甚だ粗品でございますが何卆御受納下さいますようお願い申し上げます 【文章１のポイント】 旧来から挨拶状で使用されている伝統的な文章。 お忙しい中、弔いや慰め、また香志をいただきありがとうございます。 香志：葬儀の際にいただいたものですが、香典のことになります。香はお線香を意味した言葉とされます。 おかげ様で近親者で集まり法要（七七日や満中陰）を無事に行いました。 追伸文章でお返しの品を送る内容が入ります。 【話し言葉風に簡略化】 こんにちは。（挨拶） この前の父が亡くなったときは、色々ありがとうございました。 無事に法要まで終わることができました。 本当は直接お礼をしないといけないのですが、お手紙ですみません。 お礼の品を用意しましたので、受け取ってください。 【戒名・法名とは】 現在一般的に戒名とされているのは、本来の戒名の他に道号や位号などを含めた文字になります。 生前の信仰や社会貢献度、また性別や年齢により戒名は異なります。 なお浄土真宗では戒名ではなく、法名となります。 院号：社会貢献度が高い方など　●●院や●●院殿（院殿号） 道号：故人の人柄やその人に合わせて付けられます 戒名：故人の俗名や仏典の文字、故人の人柄などの文字を入れることが多い 位号：性別や年齢により異なります ※主な位号 居士（こじ）信士（しんじ・しんし）男性の位号 大姉（たいし）信女（しんにょ）女性の位号 社会貢献度や生前の地位により居士＞信士、大姉＞信女とされます。 童子（どうじ）7歳から15歳くらいまでの男の子 童女（どうにょ）7歳から15歳くらいまでの女の子 孩児（がいじ）未就学の男の子 孩女（がいにょ）未就学の女の子 嬰児（えいじ）数歳の男の子 嬰女（えいにょ）数歳の女の子 水子（みずこ）死産

謹啓 このたび 亡● ●● の葬儀に際しましては御多用中のところ御会葬頂きまして誠にありがとうございました また お心のこもった御弔詞ならびに御厚志を頂き厚く御礼申し上げます なお葬儀の際は取込中にて万事不行届きにて申し訳なく存じております お陰をもちまして （戒名・法名）●●日の法要を相営みました 生前のご厚誼厚く御礼申し上げます 本来ならば直接お目にかかり御礼を申し上げるべきところでございますが書中をもちまして謹んで御挨拶申し上げます　敬具 供養のしるしに心ばかりの品をお送りさせて頂きましたので御受納下さいますようお願い申し上げます 【文章２のポイント】 読みやすい筆文字を使用した文章。 ご会葬いただきありがとうございました。 その際、不行き届きがありましたらすみません。 この度法要を営みました。 追伸文章でお返しの品を送る内容が入ります。

謹啓　皆様には益々御清祥の事と御慶び申し上げます 先般 亡● ●● 死去の際には御丁重なご弔詞を頂きその上御香志まで賜わりまして誠に有難く厚く御礼申し上げます お陰をもちまして この度 （戒名・法名）満中陰の法要を相営みました つきましては一々拝趨の上親しく御礼を申し上げるべきところ失礼ではございますが書面を以って御礼かたがた御挨拶申し上げます　敬具 尚 満中陰にあたり供養の印までに甚だ軽少ではございますが粗品をお届け致しましたので何卒御受納下さいますようお願い申し上げます 【文章３のポイント】 関西地方、中国地方、四国地方で使用される一般的な文章。 満中陰（まんちゅういん）の法要を済ませました。 満中陰：忌明けをむかえ、故人が無事に成仏した、中陰が満ちた終わったことを表します。 満中陰の箇所は忌明に変更することも可能です。 追伸文章でお返しの品を送る内容が入ります。

謹啓　 時下益々御清祥の段慶賀の至りに存じます 先般　亡● ●● 永眠の節は御鄭重な御弔詞を忝うし且つ霊前に過分の御供物を賜り御芳情の程洵に有難く厚く御礼申し上げます 御蔭をもちまして （戒名・法名）●●日忌に際し供養の印までに心ばかりの品お届け申し上げました 御受納下さいますれば幸甚に存じます 早速拝趨の上御礼申し上ぐべき筈の処略儀ながら書中を以て謹んで御挨拶申し上げます 敬具 【文章４のポイント】 前半は葬儀の際のお礼になります。 文章後半、お返しのお品を送る文章が入ります。 全体的な構成は他の見本文章と同様です。

謹啓 御尊家御一同様愈々御清祥の段慶賀の至りに存じ上げます さて先般　亡● ●● 儀 死去の際は御多忙中にもかゝわらず早速御懇篤なる御弔慰を忝うし且つ御鄭重なる御香志を賜り誠に有難く厚く御礼申し上げます 御蔭をもちまして 本日 （戒名・法名）満中陰の法要を滞りなく相営み仕りました これ偏に皆様の御蔭と深謝いたす次第でございます 早速拝趨の上御礼申し上げるのが本意で御座居ますが書中をもって失礼乍ら謹んで御挨拶申し上げます　敬具 尚 甚だ勝手ながら忌明の微意は●●●●●●に寄附いたし御返礼に代えさせていたゞきますので何卆御諒承賜わりますようお願い申し上げます 【文章５のポイント】 中国四国地方では、香典返しのお返しに代えて、お世話になった団体などへ寄付をする慣習があります。 社会福祉協議会や慈善団体などの名称を追伸文にお入れできます。 寄付をしてお品をお返しすることも、お礼のお手紙だけ郵便で送る際にご使用いただく文章です。

謹啓 貴家益々御清祥の御事と存じ上げます このたび　亡● ●● 儀 死去に際しましては御繁忙中にも拘りませず御懇篤なる御弔問をいたゞき 又御鄭重なる御香典を賜り厚く御礼申し上げます 早速拝眉の上御礼を申し上げるべき処略儀ながら書中をもって御挨拶申し上げます 生前の故人への厚い御交誼を深く感謝申し上げると共にご家族様の御健康を心より御祈り申し上げます　敬具 追伸 尚供養の印までに心ばかりの品御届け申し上げましたので御受納下さいますよう御願い申し上げます 【文章６のポイント】 忌明や満中陰になっていなくても、葬儀後であればご使用いただける文章です。 葬儀の際のお礼とそのご挨拶文章になっています。 追伸文章でお返しの品を送る内容が入ります。

拝啓 皆様におかれましてはおすこやかにお過しのことと存じます このたび 亡● ●● 永眠の節はご鄭重なご弔問を頂き且つご香料までお心づかい頂きましてご芳志のほど深くお礼申し上げます 本日 （戒名・法名）●●日忌明につき早速お礼にお伺い致すべきでございますが誠に略儀ながら書中謹んでお礼申し上げます 尚心ばかりの品お届け申し上げましたので何卒ご受納下さいますようお願い申し上げます　かしこ 【文章７のポイント】 やわらかな女性向けの文章です。 頭語に「拝啓」結語に「かしこ」を用いております。 なお「かしこ」を変更することで、男性の方がご使用いただいても問題はございません。 文章４と同様に、本文中にお返しの品を送る文章が入ります。

謹啓 御尊家御一統様には愈々御清祥の御事とお慶び申し上げます さて 過日 故● ●● 儀 帰幽の際は御多忙の折にもかかわらず御懇篤なる御弔慰を賜りなお鄭重なる御玉串料に預り誠に有難く厚く御礼申し上げます お蔭をもちまして 本日 （おくり名）五十日祭を滞りなく相済ませました 就きましては早速拝眉の上親しく御礼申し上げる筈でございますが略儀失礼ながら粗状をもちまして謹んで御礼の御挨拶を申し上げます　敬具 尚 しのび草のおしるしまでにほんの心ばかりの品御受納下さいますようお願い申し上げます 【文章８のポイント】 神式神道の方向けの文章です。 玉串料は仏教での香典のことになります。 神式での忌明けは、帰幽（きゆう）後、50日目の五十日祭に行います。 仏教とは言葉遣いが異なりますのでご注意ください。 なお天理教の方は「帰幽」を「出直（でなおし）」としてご使用いただけます。

お値段を抑え 5部からご注文可能な挨拶状です。 故人のお名前はお入れせず、お出しする方のお名前のみお入れいたします。 ２種類の文章からお選びいただけます。 （文章Ａ） 謹啓 先日はご懇篤なるご弔慰を頂きその上ご厚志まで賜りまして誠に有難く厚くお礼申し上げます 早速お礼にお伺い致すべきでございますが 誠に略儀ながら書中謹んでお礼申し上げます　 尚 心ばかりの品をお届け申し上げましたので 何卒ご受納下さいますようお願い申し上げます 謹白 （文章Ｂ） 謹啓 先日はご懇篤なるご弔慰を頂きその上ご厚志まで賜りまして誠に有難く厚くお礼申し上げます 故人生前中のご厚情を深く感謝申し上げますとともに今後も一層のご厚誼の程お願い申し上げます 早速お礼にお伺い致すべきでございますが 誠に略儀ながら書中謹んでお礼申し上げます 謹白