マスターから皆様へ

いつも27コーヒーをご愛顧いただきまして、誠にありがとうございます。 マスターの葛西甲乙です。 楽天市場店が開店して間も無い頃は不安もたくさんありました。以前より楽天市場で様々なコーヒー豆が販売されていたことは知っていましたが、それは別カテゴリーの世界だとばかり思っていました。 全国の自家焙煎店やコーヒー専門店が凌ぎを削って出店しているのは理解していましたが、価格競争に晒されてまで、そこにわざわざ参入することは全く考えていませんでした。それが率直な思いでした。 当店のように高品質コーヒーだけに特化して、ましてやホンジュラスコーヒーに焦点を絞って営業することはとてもニッチだと思います。コーヒー全体で見るとほんの僅か数パーセントにすぎません。

私は毎年ホンジュラスのコーヒー農園を訪問して、たくさんの生産者に直接会っています。みんな明日を夢見て高品質なコーヒー作りに日々励んでいます。それでも埋もれてしまって、海外からのバイヤーに買ってもらえない高品質なコーヒーも沢山あります。 そうしたコーヒー豆はどうなるのか？大手企業に買い叩かれるか一般市場に流れて他のコーヒーと混ぜられてしまいます。いくら一生懸命作った高品質なコーヒーでも、買ってもらえなければそうした残念な結果になってしまいます。 多くの生産者たちは作ったコーヒー豆を早く現金化しないと生活ができません。大手企業はそうした残ってしまったコーヒー豆を安く買う機会を待っています。私たちが高品質コーヒーを買い付ける価格のわずか5分の1以下の買値です。小規模で体力のない生産者は諦めて手放すしかなく、これでは利益が何も出ないと嘆く人もいました。それでも彼らは明日がよくなる事を願って、なんとかモチベーションを保ちつつ頑張っているのです。 私は、現地を訪問するとたくさんのコーヒーサンプルをテイスティング（専門用語はカッピング）して選んで買い付けます。本当はもっと買ってあげたいけど、僕のBuyingパワーだとこれが限界、、、せっかく用意してくれたコーヒーサンプルの半分も買えない自分に問いかけました。自分にはもっと何かできないだろうか？もっと広い視野で考えることが必要なのではないかと考えていました。そんな事でスタートした、ワンコンテナミッション（高品質ホンジュラスコーヒーだけを自社コンテナで単独輸入する）を初めて３シーズン目の頃、また次の手を考えなければと思いながら自然と動いていました。 そして私はいくつかのアイデアを出しました。その中でも一番大きな課題目標としてあげられていたのが、ネット通販でした。この考えは数年前からずっと温めては消えを繰り返していましたが、どうしても実店舗の営業が優先になるため、なかなか本腰を入れて進めることができませんでした。ネット知識が乏しいスタッフ達と一緒に実行する事はやはり困難でした。

そうした中、一つの転機があり楽天市場店オープンの話が不思議とトントン拍子に進みました。やらない内からあれこれ言う前に、まずは期限を決めてやってみようと言うことになりました。でもやるからには本気で取り組まないと上手くいかないと思っていました。どこかのショッピングモールに別店舗を出店するつもりでやる事と、従来の発想や形を変える柔軟な考えが必要だと思いました。 とにかく27コーヒーの根幹にあるスタンスは崩さずにより広いフィールドで販売し、これまで出会うことのなかったお客様と繋がる事はとても大切であり、これまでできていなかった事だと気づきました。そして、生産者たちが一生懸命作ったコーヒーをより多くの方々に知ってもらうためのアピールをする事が、結果的に良い方向にいくのではないかと思ったのです。 毎シーズン、一俵でも多くのコーヒーを買いたい。その積み重ねだと思っています。私は星の数ほどいる生産者の中で、ご縁のあった生産者のコーヒーを買ってきます。そしてご縁のあったお客様が27コーヒーの高品質なコーヒー豆を買ってくれます。せっかく同じコーヒーを飲むなら、生産者の顔が見えるコーヒーを飲みましょう。その方がずっと意義が見えて来ると思います。 １杯のコーヒーを飲むときに、地球の裏側にいる生産者の顔を思い浮かべながら飲めたら、それってちょっと素晴らしい感動があるかなと思います。