20数年前に出張で盛岡を訪れた時、飛行機で持ち帰れそうにないことや、値段のこともあり購入しませんでしたが、後悔することしきりでした。今、ようやく手にいれました。
◆選んだポイント
湯茶をよく飲むので、重くても大容量なこと。
実用品としての堅牢さと質実剛健さを感じる水沢鋳物で、生型に岩鉄を鋳込んだ製品。
金気止めによる酸化被膜で防錆処理され、Caやタンニン鉄黒色塩を付着させ、育てることで愛着がわく製品。
先人の知恵と時間に磨かれ、それが受け継がれたであろう伝統的な形状・文様の和風の製品。
鉉は、本体とバランスが取れた形状の無垢鉉。
◆使ってみて
承知していたものの「ズッシリと重い」ですが、重心を意識して使うことで、幾分か楽に扱えます。
製品には、準備や手入れ法などが詳しく記載された取扱説明書・しおりが添付されています。
商品到着後、コントレックスを希釈して湯垢付けを済ませた後、水道水を沸かしてお茶を淹れましたが、柔らかでトロっとまろやかな舌触りで、雑味がなくなり、よりお茶をおいしく感じました。
湯沸かし後、独特の匂いがありますが、慣れれば気にならなくなると思います。
使用後は、瓶内に湯を残さずに、蓋を開けて余熱で乾燥させるだけです。
湿気・塩分・浸水、異種金属との接触による電蝕などに注意し、取り扱っています。
◆その他
鉄分摂取に過大な期待はありませんが、使って暫くして、目の疲れが和らいだり、肌の調子が少し良くなった実感があります。
鉄分は、からだの中で細胞が働くエネルギーを生み出したり、アミノ酸やコラーゲンペプチドからコラーゲンを生成したり、幸福感を感じさせるホルモンを作ったりと、沢山の重要な役割に関与しながらも吸収が難しく不足しがちなミネラルですが、その不足に気づいたので、構えずに気楽に湯茶を楽しんで摂っていこうと思います。
ガスの直火使用の為、水分と燃焼ガスで早くも瓶底面が白くなりました。いずれ凹凸等や赤錆も生じると思います。弱火を心がけて使うようにしたいと思っています。
手間をかけ育てた鉄瓶には、手間をかけただけの風格・味が備わり、「自分が育てた鉄瓶」といった愛着がわき、愛用するにつれ暮らしに愉しさを添えてくれると思うので、気楽に考え、構えることなく、粛々と手入れして愛用し、鉄瓶とつきあっていこうと思います。